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Monthly Archives: 8月 2010

電動スクーター用車載クレーン製作記-5

クレーンの試作-完成

電動スクーターを吊り上げる方法をいろいろと模索していたときに、椅子取り付け部のポールにボルト穴があるのに気がつきました。10mmのボルト用です。
アイボルトをねじ込んでフックを掛けて吊り上げる?
でもボルト穴の向きがスクーターの横方向なので、吊り上げるとスクーターが傾いてしまうかも。
そこで、余っていたUボルト用プレート2つを使って写真のようなハンガーを作ってワイヤーの先端に取り付け、椅子取り付け部のボルト穴にM8のボルトでと めることにした。

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スクーターを吊り上げると若干前輪側が上がるが積み込みに支障はなさそうだ。それにワイヤーが外れる心配もなくなった。

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落下防止もリングキャッチをもう一つワイヤーの先端に取り付け、2つ のリングキャッチを引っかける方式にした。見た 目もスマートで取り扱いも楽になった。

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さて、今度はクレーンアームの出し入れだ。クレーンアームをはさんでいるブラケットは、側面にはテフロンシート、ボルト にはステンレスパイプを二重にしたスペーサー兼ローラーを入れておいた のですが、無荷重ではスムーズに動くのですがスクーターを吊り上げた状態では多少の力ではびくともしない。
スクーターを吊り上げて車内へ引き込むときは、落下防止のリングキャッチを取り付けた状態でアームのストッパーを外してウインチを巻き上げると車内 へ引き込むことができます。

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しかし、車内から引き出すときは人手で引き出すしかない?
力を入れて引っ張るたびにフレームはきしみ、スクーターは揺れる。とてもスマートとは言えない光景だし、危険だ。
そこで、クレーンアーム前端に滑車を付けてワイヤーをかけ、ウインチを巻き取ることでアームを引き出すようにした。上にある白い車輪はアームが天井 に接触したときに傷を付けないためのものです。下にボルト留めしてあるのが滑車です。ワイヤーが外れないようにストッパを付けました。
ワイヤーを緩めて滑車に引っかけたり外したりするのは手間だがアームはスムーズに引き出せるようになった。

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スクーターの向きや座席の積み込み位置などをいろいろと試した結果。次の写真のように積み込むことで落ち着いた。スクーターの座席からアームレスト を外す手間はかかるもののとても収まりが良い。車の後部座席をたたまなくてうまく収まる。
普段ほとんど一人で運転することが多いので、重たいスクーターの後輪側が左になるのも車の走行バランス的にも良いかも。前カゴと座席を載せて搭載完 了。

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最後に、インバータを付けて走行中に充電ができるようにした。週末自宅周辺を4~5km程走っても片道約1時間の通勤2~3往復で充電できる。

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何度か積み降ろしをするうちに手際も良くなり積み込むのも降ろすのも 15分ほどでできるようになった。ハンドウインチも使っている間になじんできたのか最初よりずいぶん軽くなった。
しかし、何よりも「車に一切加工をしない」 という目標が達成されたことがうれしい。

電動スクーター、正式には「ハンドル形電動車いす」、最高速度時速6km以下、全長1,200mm以下、全幅700mm 以下、全高1,090mm以 下。登録も免許も不要。しかし、日本では車いすとしては継子扱い。一部の公共交通機関では乗せてもらえません。また、事故が多いとの理由で規制強化の方向 だ。このため国内のメーカーはタイヤ径を大きくし4輪でフロントにサスペンション、パーキングブレーキまで付けるなど、高機能、高価格化が著しく、介護保 険適用でしか入手しにくくなっている。欧米では歩行困難者の手軽な乗り物として手頃な価格でたくさんの種類のスクーターが販売されており、扱いも車いすと まったく変わりません。

たまたま私は幸運にもコンパクトな3輪の電動スクーターを入手できたし、クレーンも完成して自分の車に積み降ろしができ るようになりました。おかげ で行動範囲は一気に拡がり、季節を肌で感じながら好きなカメラを持っていろんなところに出かけることができるようになりました。

事故が多いというだけで規制を強化するのではなく、障害者の立場や気持ちを考えたインフラ整備をしてほしいものです。

(特許出願中に付き、無断複製、無断転載を禁止します。)