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Monthly Archives: 9月 2007

ヤシカマット レストア記ーその3(ファインダー編-2)

さてさて、フレネルレンズのキズはどうしたものか。ここまできたらもう何でも試してやれと、今度は台所用の研磨剤入りの洗剤で磨いてみた。ヒエー!、全体が傷だらけになってしまった。傷口に塩を塗り込んだようなものだ、アー、もうなすすべはなしか?

とりあえずフードの錆の部分をタッチアップする黒のペイントを探す。カメララッカーという名前で製品はあるがとてつもなく値段が高い。成分もわからない。近所の日曜大工などの工具を売っている店へも行ってみたが、スプレー以外は巨大な缶入り。

そうだ、プラモデル用という手がある。タミヤのサイトを検索したらビンゴ!!

種類は最も手軽で量も少ない水溶性アクリルラッカーに決めた。オンラインショップで注文できる。黒とつや消し剤(黒とまぜるだけでつや消しになる し、まぜる量でつや消しの度合いも調整できる)、溶剤(筆を洗ったり、塗装前の表面の洗浄に使う)、他に必要なものはないかと見ていたら「クリアー」とい う色に目がとまった。「クリアー」つまり「透明」。これだ!思わず手をたたいた。

フレネルレンズのキズに「クリアー」ラッカーを塗り、乾いたらコンパウンドで磨く。フレネルレンズはプラスチック製なのでアクリルラッカーとの相性 もいいはずだ。というわけでさっそく必要なものを購入して補修をしてみた。思った以上に大成功。多少キズは残ったが実用上はほとんど気にならない。台所用 の研磨剤でついたキズもきれいに取れました。

というわけでレストア用の必需品として「準備編」プラモデル用のアクリルラッカーやコンパウンドを紹介したのです。

FOCUSING_GLASS_01

フードの錆びていた部分も錆を落とし、黒につや消し剤を少しまぜてタッチアップ。フード後部の覗き穴右側にあった錆びた部分も錆を落としてタッチアップ。タッチアップ部分のつや消しが目立ったので細目のコンパウンドで全体を磨いたらほとんどわからなくなりました。

HOOD_01

フードにピントグラスとフレネルレンズを組み込み、板バネを付けて完成。板バネを付けるときはフード側のツメを起こしておくと付けやすい。このときにもフレネルレンズにキズを付けないようにご注意を。今回はうまくいった。

ミラーも内部をクリーニングした本体に戻す。分解したときとは別物のように美しい。

FOCUSING_GLASS_02

フードを本体に戻し、4本のネジを締めて終了。入手直後と同じ場所をファインダーに写すと格段にクリアで明るくなったのがわかります。下の写真の左側がレストア前、右側がレストア後。

Finder_2


いろいろとハプニングはありましたが、ファインダー部のレストアは何とか終わりました。

次はどこにしようかな・・・、あまり気を遣わなくてもいい側面と裏蓋あたりのクリーニングでもしますかね。

ヤシカマット レストア記ーその2(ファインダー編-1)

さて、いよいよヤシカマットのレストアの開始です。まずは雑巾を固く絞ってカメラの汚れやカビを拭います。頑固な汚れは中性洗剤を少しつけて拭き取ります。これだけでもカメラは見違えるほど綺麗になります。

カメラの汚れを拭き取ったら、カメラ上部のフードを外し、内部のミラーやピントグラスの汚れを落とします。

フードを開き、左右2ヶ所ずつ、合計4ヶ所のネジを緩めます。

Yashika_Mat_01

ネジを外したらフードをまっすぐ上へ持ち上げて外します。

Yashika_Mat_03

ミラーはホコリで汚れてはいますがカビは見あたらず、この年代のカメラとしては非常に綺麗です。

ミラーは、一番底の部分と中央部左右の3ヶ所のツメにミラー裏側の板バネで押しつけられています。上部のツメ(写真の赤丸) を下に押して外し、ミラー縁を持って全体を少し下へ押しながら外側へスライドさせて外します。このときミラー面を指で触ったりツメでキズをつけたりしない ように気をつけましょう。

Yashika_Mat_04

ミラーを外したら、板バネも外し、綿棒などでカメラ内部の汚れやホコリを拭き取って綺麗にします。ビューレンズの後端もレンズクリーニングペーパー を割り箸の先に巻き付けるなどしてホコリや汚れ、カビなどを綺麗に拭き取っておきます。レンズの汚れやカビがなかなか取れないときは、クリーニングペー パーに少量の水やアルコール(無水エタノール)を含ませて拭き取ります。

Yashika_Mat_06

次はフードの底に取り付けられているピントグラスを外します。ピントグラスは磨りガラスとプラスチックのフレネルレンズを重ね、上下2ヶ所を板バネ で留めてあります。板バネは、中央部を押し下げてフード側の出っ張りから外せば取れるのですが、これがけっこう難しい。細いマイナスドライバーなどでこ じって外そうとすると、ピントグラスの縁を傷つけたり、フレネルレンズにキズをつけたりするので注意しましょう。

ウギャー!!手元が滑った・・・フレネルレンズにキズが(写真の赤丸内)・・・・、やってしまった。

Yashika_Mat_07

傷つけてしまたものはしょうがない。皆さんにはフレネルレンズをあらかじめマスキングテープで保護しておくことをお勧めします。

板バネを引っかけているフード側の出っ張りはけっこう柔らかいので、十分に起こしてから板バネを外すのもコツです。板バネを外したらピントグラスと フレネルレンズをフード後部に抜き取ります。板バネを引っかける出っ張りがじゃまなときはピントグラスが引っかからないところまで押し込んでください。

Yashika_Mat_09

これでなんとかピントグラスとフレネルレンズが外れましたが、フード側にけっこう広範囲な錆があります。

さて、どうしたものか。錆は塗装を剥がして除錆剤で錆を落として黒く塗り直せばいい。しかし、フレネルレンズのキズはどうしよう。このままだとファ インダーを覗いたときにピントグラスに糸屑が張り付いたようなキズが目立ってしまう。完全主義者の私としては許せない。ちょうど同じ年代のヤシカフレック スのフレネルレンズがあったので合わせて見たら、サイズは合うが透明感がまったく違う。ムムム、これがカメラの値段の差か。

とりあえずミラーとピントグラスとフレネルレンズを中性洗剤を使って綺麗に洗い、乾燥させる。 しかしやはりどうしてもフレネルレンズのキズが気になる。幸いレンズ側ではなくフラット面側なのでなんとかなるかもしれない。思い切ってミニグラインダーのバフで磨いてみた。

どひゃー! キズは目立たなくなるどころか摩擦熱で表面に凹凸が・・・ キズがさらに広がってしまった。

落ち込んでしまいました。続きは次回。

ヤシカマット レストア記ーその1(準備編)

カメラのレストアに欠かせないのは精密ドライバやピンセットなどの工具類や、細部をチェックするためのルーペなどです。中でも古いカメラの分解で最 も重要なのはドライバです。特に錆び付いてかたくなったネジなどをゆるめるときは、ネジの頭にピッタリと合うサイズのドライバを使わないとネジを壊しかね ません。
私の愛用品は、レンズを交換すれば自由に倍率が調節できるヘッドルーペ、先換え式の精密ドライバ、単品で使用頻度の高い00番のクロスと 1.8×0.5mmのマイナス、ツル首ピンセットなど。先換え式の精密ドライバにはトルクスも入っていますのでノートパソコンのHD交換などにも使えま す。

TOOL_01

単品で購入することはできませんが、とても重宝しているのがiPodの交換バッテリに付属のケースをこじ開けるツール。プラスチックなのでボディやレンズを傷つけずに部品を外したり、汚れや錆を落としたり、ビニールレザーをはがすことができます。

TOOL_05

工具は、カメラを分解するにつれいろいろなものが必要になりますが、それらの工具はその都度紹介します。

さて、古いカメラで最もやっかいなのが「錆」です。私はネット検索でとても良い除錆剤を見つけました。「エスクリンS-800」という鉄や銅、真 鍮、ステンレスなどの錆が落とせる中性で水洗可能、有害物質を含まない環境にもやさしい除錆剤です。プラスチックや塗装部分を傷めることもありませんし、 プリント基板にも使えますので非常に便利です。ネットでのみ1リットルボトルを購入できます。「エスクリンS-800」で検索するとすぐに見つかります。

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分解できる部品やネジなどは小皿などに液を入れて浸けておき、外せないところは綿棒で液をつけて錆が落ちたら十分に水拭きします。臭いはけっこう強烈なので、 長時間嗅いでいると気分が悪くなることがあります。換気扇の下などで作業することをお勧めします。

塗装部分の錆は塗装を剥がして錆を落とし、塗装し直すことになりますが、私はプラモデル用のアクリルラッカーを使っています。塗った後が目立つときは、コンパウンドで磨くと目立たなくなります。

TOOL_07

上の写真は左から「黒」、「つや消し剤」、「透明」、「溶剤」です。下は筆のベーシックセットです。ラッカーがそれぞれ150円、筆が300円、量も値段もお手頃です。水溶性なので使用後の筆や容器の手入れも楽です。

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コンパウンドは「粗目」、「細目」、「仕上げ目」 を揃えています。これらのラッカーとコンパウンドは意外なところでも役に立ちます。その話は次回のお楽しみ。

レトロなフィルムカメラーその2(ヤシカマット)

今度は1957年製のヤシカマット(Yashica Mat)という中判カメラを入手。通称「二眼レフ」と呼ばれ、ブローニー(120)サイズのフィルムをセットし、6cm×6cmのフィルムサイズで写真を撮影します。

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なぜレンズが二つも付いているかというと、上側はビューレンズといい、レンズの後ろにあるミラーで光軸を90°上に曲げ、ピントグラスに結像します。写真 を撮るときはカメラの上からこのピントグラスをのぞき込み、構図とピントを合わせます。下のレンズはテイク(撮影)レンズといい、シャッターと絞りが付い ており、シャッターを切るとフィルムに結像します。

外観は目立ったキズや錆はほとんどなく、レザーのひび割れや剥がれもありませんでしたが、さすがに50年という年月を感じさせる汚れやカビ、ホコリはそれなりに目立ちます。

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フィルム室はとてもきれいでそのままでも問題なさそうです。

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ファインダーはけっこう汚れているので分解して清掃が必要です。

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フィルム室のカバーを開き、空のスプールを巻き取り側へセットしクランクを回すとちゃんと1枚目の位置で止まります。クランクを逆方向に止まるまで 回し、シャッターボタンを押すと、一応シャッターは切れました。しかし、シャッター速度を変えながら何回かシャッターを切るうちに動きがだんだん怪しく なってき、ついにシャッターが切れなくなってしまいました。しばらく時間をおくと回復します。どうやら長期間使わない間にシャッターが粘ってしまっている ようです。修理が必要か、しばらく使っているうちに回復するか悩むところです。

DSC_0397

私は、このような汚れたり壊れかけたカメラを見ると「早くきれいにして!」、「早く修理してよ!」とカメラが言っているような気がして、居ても立ってもいられなくなります。皆さんに使用前の状態を見てもらおうと撮影をするのも待ちきれないくらいです。

でも、このようなレトロなカメラのレストアに焦りは禁物。じっくりと各部を観察したり、ネットを検索してカメラの情報を収集し、慎重に進めないと修 復不能な状態になってしまうことがあります。ちゃんとした工具やクリーニング剤、接着剤、オイルなどの準備も必要です。何度もネジ山を潰して泣きを見た経 験者が言うので間違いありません。

次回からこのカメラのレストア記をしばらく連載しますかね。乞うご期待!!